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第十四回 平成23年7月10日
〜「今を生きる」〜
at.赤木「ヒロ」

講義のテーマは「今を生きる」。原発問題が一向に終息の気配を見せない中、3・11以前と以降と自分がどう変わったか。このような事態になった今をどういう考えで生きるか。
価値観はどう変わったかなどが塾長の問いかけでした。

新聞の投書が紹介されました。「この震災で生んだこと」という主婦からの投書。

この世の中には安全なんてものは無い。
他人の優しさと、親切さに触れたこと。
行政は役に立たないということ。

この投書をもとにした塾長の話し。
「我々は安心、安全に酔いしれていた。ひたすら経済成長を目指し、
右肩上がりで成長するものと信じていた。
文明を求め、電気を使っての便利さや快適な生活を当然のものとしてきた。
結果、原発に依存する社会構造や精神構造が出来てしまっていた。
それらが打ち砕かれた今、それを反省し、生活スタイルを変え、価値観を変え、目指すべきものを変えるべきだと多くの人が思った。悟った。身の丈にあった生活をしようと思った筈だが、実際はどうか。

塾生への問い掛けがありました。外国と比べての価値観の違いなどについての意見が披瀝されましたが、まだ思うところを述べた人は少なかったように思えました。まだ、それぞれが自分の考えをまとめあげていないのかもしれません。


東京から郡山に転勤し、一人暮らしをしている一番若い塾生が言いました。
「震災前までは親とはそんなに親密な間柄ではなかった。連絡もとりあっていなかった。
震災後、親と電話でゆっくり話すようになった。家族というものを再認識した。」
とても印象的でした。

今のような時に自分を律する言葉。いくつかが話されました。
随所に主となれば立つところ皆真。臨済禅師の言葉。
自分の立ち位置をきちんと持って置こうということでの引用でした。
そして論語の言葉。風評被害などが多いからでしょうか。
様々な情報に惑わされているからでしょうか。
「衆これを悪むも、必ず察し、衆これを好むも必ず察すべし」。付和雷同を戒めたもの。
「子貢問いて曰く。一言にしてもって終身之を行う可きものありやと。子曰く、それ恕(じょ)か。己の欲せざるところは人に施すなかれと」。
「恕」とは思いやりということだそうです。他人に対する思いやり。冒頭で紹介された主婦の投書が取り上げられた意味がわかりました。
そして、「利他の心」という話につながりました。

人間の究極の幸せは、人に愛されること、人に褒められること。人に役に立つこと。
働くことによって愛以外の幸せは得られる。
利他の心が今を生きている我々には必要だと教えられました。

その上でマザーテレサの言葉。
「この世の最大の不幸は、貧しさや病気ではありません。
自分が誰からも必要とされないと感じる時です。」

一隅を照らす人でいい。何らかの形でも人に必要とされる自分でありたい。
そう確信した今回の講義でした。

次回はケルプ農場を経営する佐藤喜一氏をゲストに招いて、
放射能汚染と戦う現場の話を伺う予定です。

(事務局記)